ナニワ商人の知恵と習慣

商売人と言われる大阪人のDNAに宿る「ナニワ商人(あきんど)」の知恵と習慣

2014-01-01から1年間の記事一覧

三井八郎右衛門高利の成功譚(3-3)

江戸で成功した高利の財は二代目の八郎右衛門高平に受け継がれることになる。一応の地盤を父が築いてくれ、その上に立った高平は、金の運用をどうすべきかと考える前に、世間の商人が何によって失敗したかというエピソードや資料を丹念に蒐(あつ)めまわっ…

三井八郎右衛門高利の成功譚(2-3)

商人は商人で利益を少しでも手に入れようとする。大名は大名で踏み倒しという手段で品物を只同然で手に入れようとする。この両者の間に入った者は、自分だけ手を拱いて儲けから外されるのが口惜しいから、せめて密告料でも稼いで鬱憤(うっぷん)ばらしをや…

三井八郎右衛門高利の成功譚(1-3)

江戸においての三井八郎右衛門高利の成功に至る工夫は、その資本(金)を運用するに当って、次の工夫をした点にあるといえる。先ず、一種類の商品に、その商品専任の店員を配したこと。これは現代でも金の運用に際しては十分に注意しなければいけない点であ…